中国向けインバウンド集客の人気SNS徹底分析(二) Wechat公衆号篇

前回の記事では、中国のインバウンド集客に使える人気SNSの概要と特徴を紹介した。これからは、各SNSのプロモーション手法を詳しく説明していきたいと思います。

前編の(一)を閲覧しなかった方はこちらをクリックしてください

一、Wechat公衆号でどんなプロモーションができる?

まずは、Wechat公衆号で使えるプロモーションの分類をみましょう。

① KOLプロモーション:

沢山のファンを持つWechatアカウントにプロモーション記事を配信してもらうことである。配信されるプロモーション記事は「コンテンツ」と「広告」2つのパートに分けられることが多い。面白いコンテンツで読者の興味をしっかり引いた後、プロモーション情報を入れるのは定番のやり方になっている。

図1:記事の前半で面白い内容を提供し、後半(赤い枠)から商品を紹介する

その場合、要注意のは記事内の直リンクが制限されていること。Wechatも含め、他社のサイトに遷移させることが好ましくないからだ。ほとんどのKOLアカウントでは、URLを入れられる所のは記事下部の「原文閲覧」ボタン(中国語では「阅读原文)しかない。このボタンは元々別用途だが、URLを自由に入力できるため活用されたわけだ。

図2:原文閲覧ボタン(赤い枠)。この記事は「原文閲覧ボタンを押して購入」を明記している。

ここでは、筆者独自の【自由にリンクを入れる】コツを提供する。

記事内に画像を貼るのは自由である。QRコードの画像も制限されていない。Wechatのアプリ内では、QR画像を長押しすると自動認知ができる。その機能を活用すれば、記事で様々なURLに遷移させることも可能になる。

図3: QR画像を利用して指定URLに遷移させる方法

今度「Wechat公衆号ではリンクへの遷移がダメです…」と言われたら、この方法を勧めてみてはいかがでしょうか。

② Wechatのバナー広告

バナー広告は、読者たちが任意のWechat記事を読んでいる時に下部のバナーに表示される。仕組みはFacebook広告と似ており、出稿する際にターゲットグループの指定ができる。

図4: バナー広告の例(灰色の部分)

このバナーに表示できるものはいろいろある:

・画像 / 文字 + 特定のURL

・他の公衆アカウントの紹介と「フォローする」ボタン(上記の例が該当する)

・アプリの情報と「ダウンロード」ボタン

プロモーションの対象によってバナーの内容を選びましょう。

このバナー広告に出稿するには、Wechatの「広告主」になることが必須である。日本企業の場合、下記3つのルートで出稿ができる:

・中国で子会社も持つ場合、その子会社の名義でWechat公衆号を申請し、そして広告主の権限も一緒に申請する。

・中国で子会社を持っていない場合、直接日本テンセントに広告出稿を依頼する。

・中国、或いは日本の広告会社に出稿代行を依頼する。

方法一は最もコスパが良い。バナー広告はクリック課金となり、CPCは日本より安い場合が多い。

大手会社であり、長期広告を考えているなら、方法二がおすすめ。最低出稿金額がやや高いが、テンセントの担当者が責任をとってターゲティングの微調整までする可能性が大。良い関係性を築いたら割引ももらえるかもしれない。

社内に慣れている社員がいない、且つ少なめの予算で勝負したい場合は、個人や広告会社に依頼する方法三もある。ただ、自ら出稿するより値段が高く、時々日本でのプロモーションよりも高価な場合もある。

③ モーメンツ広告

まだ日本では多く利用されていないが、Wechatの公衆号と別に、「モーメンツ」というつぶやきのタイムラインも存在する。Facebookでのつぶやきと似ているが、Wechat友達以外の人が見れない。中国人が友人の近況を把握し、コミュニケーションを頻繁的に取る場である。そこも画像や動画のフィード広告を出稿できるが、予算は高額のため、今回の記事では割愛する。

図5: モーメンツ広告は友人のフィードと似ている

Wechatでできるプロモーションは以上の3つである。どんな時に、どれを使ったら良いか?後半は目的別の活用法を述べたいと思います。

 

二、目的別のWechatプロモーションのやり方

インバウンド関連のプロモーションは、大まかに下記の目的に分類される:

・ブランド認知の向上

・自社公衆号への集客

・ECの購買促進

・サイトへの誘導

・ユーザーとの接点を作る

それでは、各分類を見ていきましょう。

① ブランド認知を向上させたい時

プロモーションの目的は「認知度向上」となると、担当者がPV数を重視しがちだが、「読者とのコミュニケーション」をもっと見よう。PV数が唯一のKPIになると、データ捏造が起こりやすいし、ライターがクリックを稼ぐために変な記事タイトルをつけるかもしれない。

しかし、「認知度の向上」の鍵は、「タイトルをクリックしてもらう」ことだけでなく、「商品の紹介を覚えてもらう」ことだね。

筆者がすすめたいのは「KOLプロモーション + バナー広告」の組み合わせだである。勿論、センスの良いライターに記事を書いてもらうことが肝心である。魅力・説得力の高いコンテンツは読者に深い印象を与えられる。更に、バナー広告を利用して記事のURLを拡散したら、閲覧数も保証できる。

この方法を使う時、2つの注意点がある:

・KOL(ライター)を見極めること。Wechat公衆号のフォロワーが多くても、他人のコンテンツをまるごと翻訳して使ったり、面白ツイッターを探して配信したりする「運び屋」かもしれない。その場合、運営者のライティングスキルが低いため、オリジナル記事を創作する際に良いものを書けない。商品を強引に宣伝したら、コンテンツ重視の中国では成功する確率が低い。PV数が高くても読者の印象が残らないからだ。

・KOLに適切な自由度を与えること。日本企業の社内ルールも守らないといけないが、できれば最小限にしよう。責任感のあるライターであれば、中国読者の興味を最も引けるような書き方を選ぶはず。そのセンスを信頼しよう。言葉の審美や読者のツボは、別の文化圏で通じないことが多いため、自分の判断でジャッジするより、専門家に任せたほうが良いと思う。

面白いコンテンツが揃ったら、この作戦は七割成功だと言えるね。後はWechat広告を利用して多くの人に拡散すれば効果を得られる。

② 自社運営の公衆号に集客したい時

自社公衆号のファンを増やしたい時は、 Wechat広告の「アカウント推薦広告」を利用すればできる(認証された企業アカウント限定)。ただ、面白いコンテンツがなければ、広告を打っても誰もフォローしないだろう。それは私達がユーザーになっても同じだ。

Wechat広告ではなく、KOLの記事で公衆号を宣伝してもらう時、下記3つを確認しときましょう:

まず、KOLが魅力を持っていて「この人のおすすめならフォローしてみる」と思わせること。このようなKOLは大体個人の名義で活動している。「日本○○情報」「○○まとめ」のような、個人の色がないアカウントは弱いかもしれない。

次に、KOLの属性は宣伝対象の属性が一致し、ユーザーを共有できること。例えば、村上春樹さんが好きな人は、他の日本小説も好きになる可能性が大きい。このような考え方で判断すればズレないでしょう。

最後に、KOLに配信してもらう際に、「なんでこのアカウントを勧めるのか」をきちんと書いてもらうことも重要である。

現在、Wechat公衆号を運営するのは非常に難しいことになっている。中国のプロライターさえファンの増長に悩んでいてる。筆者は、自社の公衆号を運営することはあんまりおすすめしない。どういう場合はWechat公衆号を作って良いのか、今後詳しい記事を書きたいと思います。

③ ECでの購買を増やしたい時

基本的に①のやり方と同じだ。異なることは、記事の書き方にある。

売りたい商品の特徴を記事で紹介し、綺麗な画像と商品の細部写真を沢山入れることが大事である。中国のTaobaoを見ると、商品説明が日本のECより遥かに丁寧だ。それぐらいの情報量がないと、ネットショッピングが不安になるだろう。もし商品説明を作ることで困ったら、それも一緒にKOLに依頼したら良いと思う。販売量を稼ぐために、ベースの報酬以外に、成果報酬を少し加えたらKOLがより頑張る。

図6:中国ECの商品説明は、情報量がすごい

ここで絶対に覚えないといけないのは、アリババ系のEC店舗がWechatで宣伝できないこと。競合のせいでサイトへの遷移がブロックされているし、最悪記事も削除されるかもしれない。アリババ系のTaobao / Tmall店舗は他のサイトを利用しよう。WechatのECサービス(微店)や自社サイトなら大丈夫だが、中国から接続スピードの確認は漏れないように。

④ 自社サイトやLPへ誘導させたい時

基本的に①と似ているが、必要な時以外はおすすめしない。自社サイトをそのまま使う場合、対象ページが本当中国ユーザーにとって魅力があるのか、中国語の翻訳が適切かを再検討しよう。また、記事自体はLP(ライディングページ)の機能を発揮できるため、LPを作らず、直接購入ページに誘導するのを優先させよう。

⑤ 潜在ユーザーに向けてダイレクトに発信したい時

「ユーザーのチャットグループを作る」手法である。この方法のメリットは、ユーザーの生の声を聞ける、今後も直接連絡すること。グループの運営を上手くやると、ユーザーが友更に人を招待することも少なくない。他の広告だとリーチにしくい富裕層向けの商品は特に向いている。コストが低いため、中国のベンチャーが良く使う方法である。

図7:Wechatグループの上限は500人

この方法はコストが低い一方、慣れていない人だと実行が難しい。中国で相関な経験を持つ人が多いが、日本ではその人材を中々確保できない。そのために、中国の企業や個人と連携して行うのは良い。

プロモーションの鍵は、QRコード付き画像の「裂変」だ。一人から二人、二人から四人、四人から八人…最終的に500人になる。

図8:WechatのQRスキャン機能を利用する

まずは、グループに入ったら得られるメリットを考えよう。無料の資料やサンプルを貰えると、ユーザーがQRをスキャンしてグループに入りたくなる。そのメリットもQRコードの画像に入れて、他の人も画像さえあればひと目で分かるようにする。

次は、メリットを獲得するための条件を考えよう。3つのグループに情報を拡散する、自分のモーメンツにQR画像を投稿することなど考えられる。

図9:ユーザーがメリットを獲得するために自分のタイムラインで画像をシェア

最後に、「スタッフアカウント」を設置する。グループ参加用のQRは、一定な人数になると失効するため、スタッフのWechat友人になってもらえばいい。スタッフはグループを管理することもできる。

図10:スタッフがグループのルールを説明

最初のユーザーがスタッフの友人になったら、すぐにグループに入れ、そしてメリットを獲得するための条件を確認しよう。他の人にシェアしたキャプチャなど確認できたらメリットを提供する。そのように、あっという間にグループが500人になってもおかしくない。

グループができたら、管理を怠けないようにする。頻繁に(1-2日に一回)お年玉を投げたり、抽選を行ったり、グループにずっといる理由を作れば安定に運営することができる。

 

 

これでWechat公衆号でプロモーションを行う時に手法と注意点をすべて説明しました。何かが不明点がありますでしょうか?コメントを頂いたら嬉しいです。

次に配信するのは、Weibo 微博でのプロモーション手法となります。どうぞお楽しみにしてください。

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